クラッシェンのインプット仮説とは?有用性や批判も解説

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今回は英語学習におけるインプット仮説の有用性や批判、実際に活用する際の注意点などを紹介しています。

インプット仮説には賛否両論や批判もありますが、1970年代に提唱されたものでありながら現在も有用と判断される事も多く、英語学習に取り入れられている理論です。

クラッシェンのインプット仮説とは?

クラッシェン_インプット仮説とは

インプット仮説は、言語学者のスティーブン・クラッシェン氏が第二言語習得のために提唱した5つの仮説のうちの1つです。

インプット仮説では現時点での英語レベルをiと定義し、それより少し高い英語のレベルをi+1と表現しています。

自分が持っている言語知識(i)より一段高いプラス1の知識を持つことで、よりスムーズな言語習得が出来るというのがインプット仮説になります。

プラス1はレベルに合わせて学習を続けた上で習得できる「理解可能」なレベルのことで、「ちょっと難しいけど理解できる」言語としています。

英会話においてインプットが重要と言われる元となっている仮設

英語の勉強をしている方なら、インプットが重要ということを聞いた事があると思います。

これはクラッシェンによるインプット仮説に基づいて言われていることです。

また、この理論ではインプットの結果として自然に話せるようになるという考え方なので、アウトプットに関しては習得後の結果と位置づけています。

また、アウトプットのトレーニングは言語学習に必要ないと主張しているので批判の対象となることがあります。

インプット仮説の根拠となっていることは?

インプット仮説は、「インプットしたものしかアウトプットできない」という根拠に基づいています。

たとえば、赤ちゃんが「ママ」と呼ぶ(アウトプット)ようになるのは、親が自分のことを「ママだよ」と覚えさせようとするからです。

成長してからは「お母さん」など呼び方が変わることありますが、これもどこかで「大人になったらお母さんと呼ぶのが一般的」という情報が頭に入ってくるからです。

英語も同じで、「Hello(こんにちは)」という言葉が頭に入っていなければアウトプットできません。

英語学習において英語の発音やアクセントを学ぶことは大切とも言われますし、もちろんライティングやスピーキングのトレーニングとしても必要ですが、そもそも人間はインプットがなければアウトプットできないのです。

このことから、クラッシェンは第二言語習得にはインプットのトレーニングがもっとも効果的で、かつ今の英語レベルより少しハイレベルな言語にすることで第二言語習得ができるという仮説を打ち出したのです。

クラッシェンのインプット仮説の有用性

インプット仮説の有用性は、インプットの量が増えれば必然的にアウトプット量が増えるので、次にどのような文法が来るのか予測をつけられるようになる事です。

また、スピーキングをするときに単語や文法の洗濯を間違えたり、発音(読み方)を間違った時にも気がつき修正できることが挙げられます。

インプット量とアウトプット量は比例する

第二言語習得研究において、アウトプットはインプットから始まり、次に気づき、理解を経て、内在化、統合というプロセスにより、初めてできるようになるとされています。

そのため、頭の中に入っている英語量が多ければ、それを使って話せる英会話の量も多くなります。

逆にインプットされている英語の量が少なければ、伝えるための単語や文法が限られてしまうため、英語でのコミュニケーションは難しくなるでしょう。

このようにインプット量とアウトプット量は比例することから、スピーキング力やリーディング力を高めるにはインプットが有用であると言えるのです。

文法を予測できる

たくさんのセンテンスをインプットしていると、リスニングなどで最初の言葉を聴いたときに次の文法を予測できるようになります。

これを予測文法といいますが、たとえば「I am happy」と聴き取ったら「何か良いことがあった」と予想できますし、「I am afraid」という言葉を聴いたら「悪い話があったんだろう」と予測できます。

次にどのようなフレーズやセンテンスが来るのか予測できるようになれば、アウトプットのスピードも上がりリスニング力がアップするという有用性が得られます。

自分の語学力を正確に把握できる

覚えた英語を話そうとするとき、思いをうまく伝える単語が分からなかったり、文法が出てこなかったり、間違った発音をしてしまうことがあります。

このように言語が完璧な状態ではないことを「中間言語」といいますが、この段階でインプットトレーニングをすれば、自分の現在の実力と目標としている学力の差に気がつくことができます。

しっかりと第二言語を覚えて、自分が認識していた中間言語との違いに気づき、一つずつ修正することで正しい言語が習得できるようになるのも、インプット仮説の有用性といえます。

インプット仮説への批判について

インプット仮説においては、スピーキングやリーディングのトレーニングには第二言語能力を向上させる力はない、少し高いレベルのインプットを続けることで言語能力はバージョンアップしていくと主張しています。

そのため、アウトプットの方が有用性が高いと信じている人や、覚えるだけでは語学能力が向上しないと思っている人からは批判を浴びることが多いです。

定義となるi+1の概念も曖昧で、どういったトレーニングをすれば言語能力がアップするのかもはっきりしていないため、アウトプット仮説による反論もあります。

仮設そのものへの批判というよりも、アウトプット軽視への批判が多い

しかし、批判や反論という構図からそれぞれの理論が対立しているように見えてしまいますが、アウトプット仮説では、ただ英語を詰め込むだけで語学力を高めるには限界があるという指摘をしているだけです。

つまり、トレーニングの優先順位や学習効果を争っているのではなく、スピーキングも言語習得に必要なトレーニングだという観点から、インプット仮説に対して批判的な意見があるということです。

前述したようにインプットがなければアウトプットはできませんが、だからといって英単語や文法を暗記したり、英文を読んだりするだけでは正確な発音で話したりネイティブ英語を聞き取れるようにはなりません。

インプット仮説は必要だが、これだけでは十分じゃない

実は筆者自身、インプット仮説だけで英語をペラペラ話せるようになるとは思っていません。ただ、上達させるための手段の一つとしては優秀だと思っています。

筆者は過去に、英語学習の際に英語をたくさん覚えることに時間を割いた方がいいのか、それとも話したり聞き取ったりする練習を優先した方がよいのか迷いました。

そしてインプット仮説が批判されているのを見て、覚えることはそれほど重要ではないと思ったことがあります。

しかし、オンライン英会話などで英語学習をしていると結局インプットも重要だと気づき、そこからバランスを考えて英語学習を進めた結果、TOEFLやTOEICで高得点を取れるようになりました。(TOEICでは970点を取っています)

このように、「批判」という文言だけでインプット仮設を否定したり、古い仮説だから今の言語学習にそぐわないと判断してしまうと、英語学習を遅らせてしまう可能性があるので注意しましょう。

インプット仮設だけで第二言語を習得できる?

インプット仮説は、アウトプットトレーニングをしなくても第二言語を習得できるという理論です。

それで本当に習得できるのかというと、やはり現実的には難しいと言えるでしょう。

第二言語習得の線引きは人によって違うため一概には言えませんが、知識として覚えることが習得というのであればインプット仮説だけで十分です。

しかし、実際に外国人と英会話ができるようになる、ビジネスの場でネイティブとコミュニケーションが取れることを習得とするのであれば、残念ながらインプット仮説だけで習得できるとは言えません。

使える英語を身につけるにはアウトプットも重要

伝わる英語を話せるようになるには、ただ単語や文法を知っているだけではなく、正しい発音やイントネーション、アクセントなどが必要です。

例えばですが、いくら大量の単語を覚えたりスニングをしても、実際に自分で話さなければ口や舌の動かし方、アクセントの付け方が分かりません。

アクセントや舌の動かし方が分からなければ、正しい英語にはならず日本人特有の訛った英語になるので、現地では通じない可能性もあるでしょう。

そのため、筆者は先程も少し触れたオンライン英会話などで実際に外国人と話し、アウトプットも行っていました。

オンライン英会話は1レッスン150円~200円ほどの格安で、外国人講師と通話をするのでインプットした英語をアウトプットする事ができますし、発音などにミスがあればその場で修正してもらえます。

そのため、実際に使える英語を身につけることが可能です。筆者はDMM英会話とレアジョブ英会話を利用しており、TOEIC970点の英語力を身につけることに成功しています。

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インプットだけでは英語は話せるようにならない

あるケーススタディでは、言葉を話せない両親を持った子どもがテレビを見て言語を習得した結果、正しい文法がしゃべれませんでした。

仮説に基づいてタイで英語を教えたケーススタディでも、聴き取ることはできても自分から話せるようにはならなかったという結果が出ています。

とはいえ、英語を話すにはその前にインプットしている必要があるので、インプット仮説は欠かせない要素であることは間違いありません。

まとめ|インプット仮説は英語習得の基礎と考えましょう

インプット仮説は、正しい正しくないをジャッジするものではなく、英語習得の土台となる基礎と考えるのが正解かもしれません。

インプットなくしてアウトプットはあり得ないので、その重要性はすでによく知られています。

ただし、覚えたり聴いたりするだけでは話せるようにならないのも事実です。

生きた英語を話すためには、アウトプットができる環境を整えることも重要なので、オンライン英会話や英会話スクールなどを活用して、覚えたことを発信できるようにしましょう。

自己学習では暗記やシャドーイングをして、オンライン英会話で実践的な英語をアウトプットするようにすると、今までよりも英語学習の習得スピードをアップできるでしょう。

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